こんな言葉に大谷さんが惑わされなくて良かった。

「翔平、どうか落ち着いて聞いてくれ。俺は確かにお前の金に手を付けた。でもそれはお前を助けるためでもあったんだよ。奴らはお前に危害を加えることを仄めかしていた。だから、俺はお前を護るためにこんな犯罪紛いのことを……し、仕方なくだったんだ。嘘じゃない。信じてくれ！ 俺がお前に嘘をついたことがあるか？　俺の目を見ろよ、これが嘘をついている男の目か？　このままじゃ二人とも破滅なんだ。お願いだから肩代わりしたことにしてくれ。いや、俺のことはどうなったって構わないんだ。お前が無事に野球を続けられさえすれば。それだけが俺の願いなんだからな。そのためにもここはどうか肩代わりしたことにしてくれよ。真美子さんを護るためにもイエスと言ってくれ～」