読みやすい [ああめんどくせー]
38ページ。プレトン(ゲオルギオス・ゲミストス)の異教的思想とかマルシリオ・フィチーノがどうのこうのとか言ったあと、ラブレーまで持ち出してきて、
ラブレーの『パンタグリュエル物語』第五之書にみえる次のような一節もまた、この思想の流れに属しているといえよう。
とか言って「第五の書」からの引用を始めるんだけど、第五の書というのはラブレーの死後出版されたもので遺稿やらなんやらをかき集めてごたまぜにして出版社がでっちあげたものだから、
「神」と「人間」、天上のものと地上のもの、見えざるものと見えるもの、聖なるものと俗なるもの、善きものと悪なるもの、ゾロアステルとアリスマスペス――これはオフルマズドとアフリマンのイメージを重ねたものだろう、ラブレーはこの二元論を、十六世紀の「汎神論の逞しい流れ」(リュシアン・フェーブル)の中に置きなおしているのである。
などと自信満々に説得的に書いてしまって良いものかね?
見識を疑うね。
やったー、ばーかばーかばーか。博識を誇らんとして墓穴を掘っただろう。ケケケ
とか思ったけど虚しくなりました。
いや嘘です。
見識を疑うねとか、ばーかばーかばーかとか思ってないけど、
読み返してて、あれっと思って、
初読時には第五の書うんぬんを知らなかったので、ふーん、そうかと読んでしまっていたけど、
ちょっと信用が下がりました。
ほころびが見えたというか。
(註でもつけといてくれればよかったのに。まあこの箇所でラブレー先生を持ち出す必要は全くないんだけど)
読みやすくて良い本だとは思うのですが。
読みやすさゆえに、おかしな箇所があっても深く考えずに通過してしまう恐れがあります。
でもそんなに気合入れて熟読するほど、素晴らしい本というわけでもない。
こまった。
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