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器も読むしかないのか。憶えてないけど多分言及ない…… [雑感リローデッド]


天啓の宴 (創元推理文庫)

天啓の宴 (創元推理文庫)

  • 作者: 笠井 潔
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/07/01(1996)
  • メディア: 文庫

これとは表紙違うけど、紙の本で再読完了した。

ラノベ書いてるくせにドストエフスキーになりたい女とか最後男の娘が~っていうのしか覚えてなかったから再読でもかなり楽しめた。


べらぼうに面白かったけど、結局どういうことだったのか?

雪山で遭難者と殺人者は入れ替わったのか。

入れ替わる意味がわからないんだよな。

なにか見落としているのか?

入れ替わってる方がラノベ共作のくだりはしっくりくるんだけど、そうなると雪山におびき寄せた逃亡者は策士策に溺れるというか追跡者の執念が上回ったことになるな。

でもそこで入れ替わる意味がわからない。

小説は入れ替わってない態で進むんだけど、最終章で編集者が現実との齟齬から叙述トリックに思い当たる。

そこで「なるほど! そういえばそう書いてあった。そういう表現だった」と膝を打ちそうになるんだけど、よく考えてみたら小説は既に虚実ない交ぜでこの叙述トリックは意味を成さない。

既に嘘をついているのに、嘘はついてないけど読者を誤認させるトリックを使うことにどれほどの意味があるのか?

編集者の視点の最終章を含めなければ入れ替わりはなく、最終章を含めればそれは決定不可能となる。


編集者の指摘する箇所が叙述トリックだとしたらほかの記述と完全に矛盾する。

入れ替わった女が影山に元カノの振りをしてえんえんと逃亡と隠遁生活の内幕を語ったことになるけど無理があり過ぎるだろう。

ある程度事情に通じている作品内読者、真相に迫っている編集者に対するほのめかしということなのだろうか?

これもメタフィクション的な手法なんだろうけどいまいちよくわからない。

まあ最後、男の娘が大量ポアして消えるので、うおおって感じで、真相はどうでもよい。


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